SOLA 上野ガス亀山オフィス Ueno Gas Kameyama office

concept | コンセプト
太陽のエネルギーを循環させる「ソーラーサーキット」

エネルギーの大転換時代を迎えるガス会社にとってこれから必要となる「自然と共生するオフィス」のあり方を追求した。 この建物では2階の小屋裏まで延びた吹き抜け空間により、太陽のエネルギーを取り込み循環させるシステムを実現している。このシステムを「ソーラーサーキット」と名付けた。 ソーラーサーキットを通して、「太陽の恵み」を直に体で感じ、日向ぼっこの温かさやそよ風の心地よさを感じられる、居心地のよい居場所をあちこちにつくっている。
建物の名称「SOLA(ソラ)」は太陽という意味のラテン語「SOL」に、この建物のファサードの形「A」を組み合わた。
detail | 光を導く
ソーラーサーキットを通して、太陽の光がやわらかな間接光となって、1日中、1階の事務スペースに降り注ぐ。2階のコミュニティホールには半透明のポリカーボネイドパネルによる光天井と障子により、日中は全く照明の必要が無いほど外光で満たされている。
detail | そよ風をつくり出す
ソーラーサーキットの吹き抜けは10mの高低差により、上昇気流をつくりだす。屋根の頂部に設けたハッチを開け、1階の窓を開放すると、ソーラーサーキットを吹き抜ける気流が建物内部に風を呼び込む。ほとんど風のない日にも自然通風が可能となっている。
detail | 熱を再生する
鉄骨造の建物全体を木造の外壁ですっぽりとくるむことで、断熱性の高い外断熱層をつくり、熱の出入りを抑えている。
冬場はソーラーサーキットの上部にたまる太陽の熱や暖房の排熱を、ファンで循環させることで、暖房として利用している。
detail | コミュニケーション空間
2階にはキッチンサロンやコミュニティホールなど多様なスタイルのコミュニケーション空間が集合し、テラスやリフレッシュコーナーが癒しの空間を提供している。
detail | 構造
建物を支える鉄骨の骨組みには、軽量の型鋼を束ねた構造を採用した。上野ガス本社に現存する、築100年を超える旧い倉庫の構造体をモチーフとしている。現場での溶接を使用せず、一本一本ボルトを締めて固定する工法により、CO2排出量も少なく、軽量化によるローコスト化も達成した。
detail | 外観
建物の外観は家の形を大きく包み込むようなソーラーサーキットの存在をそのまま現わしており、暮らしを守るガス会社の企業理念を表すメッセージともなっている。

グッドデザイン賞, 日経ニューオフィス賞 中部経済産業局長賞, 第44回中部建築賞受賞

物件名|SOLA 上野ガス亀山オフィス Ueno Gas Kameyama office
用 途|オフィス・ショールーム
所在地|三重県亀山市椿世町547-1
竣工年|2012年
構 造|鉄骨造2階建て
床面積|499㎡
施 工|上野ハウス
URL|http://www.japan-architect.co.jp/jp/works/index.php?book_cd=101305&pos=13&from=backnumber
写 真|新良太(☆以外全て)

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